ソネット集翻訳講座~その1~
From fairest creatures we desire increase,
That thereby beauty's rose might never die,
But as the riper should by time decease
His tender heir might bear his memory:
最も美しいものこそ子孫を残してほしい、
そうすれば、美しいバラも絶えることなく、
成熟し、やがて朽ちる時がきても、
若い跡継ぎがその記憶を伝えることができる。
But thou, contracted to thine own bright eyes,
Feed'st thy light's flame with self-substantial fuel,
Making a famine where abundance lies,
Thyself thy foe, to thy sweet self too cruel.
しかし、君は自分自身の美しさを映す眼(まなこ)と婚約し、
われと我が身を燃やして炎の光を放ち、
裕福であるにもかかわらず飢え、
自分自身を敵にまわし、君の美しさを残酷なめにあわす。
Thou that are now the world's fresh ornament,
And only herald to the gaudy spring,
Within thine own bud buriest thy content,
And, tender churl, mak'st waste in niggarding.
君はいま、世界の新鮮な飾りであり、
唯一の華やかな春の先触れであるが、
君の幸福を蕾に埋もらせたまま、
若いけちん坊の君は、物惜しみすることで浪費している。
Pity the world, or else this glutton be,
To eat the world's due, by the grave and thee.
この世を憐れみなさい、でないとこの大食の罪は、世界が
当然与えられるべきものを、君と墓で食いつぶしてしまうことになる。
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(農村美ソネット)
春、夏、秋、冬という一年は、人類みなに共通した日数である。
太陽は変わらずに私たちを照らすが、月は満ち欠けを繰り返している。
夜は、星座の群れが私たちに希望を与えてくれる。
いつから、私たちは、上を向いて歩かなくなったのか。
私たちの生活に共通したものがあるとすれば、音楽や映画、芸術といった、
いわゆる、ソフトの分野だと思う。
そのソフト分野の中で、農村美はいつまでも優雅であってほしい。
そんなことを日々考えている。
季節は移り変われど、変わらない美しさに一目惚れをし、
けれども、どういうわけか、儚さも愛してしまう。
春には春の、秋には秋の、思い出があり。
夏には夏の、冬には冬の、楽しさがある。
自然とは私たちにとっての希望であり、感謝をささげるものだ。それは、
忘れられない「母の優しさ」であり、「父の厳しさ」の側面もある。